証券担保ローン比較【2026年版】国内3社と海外ルートを徹底比較|金利・LTV・ノンリコース

国内と海外の証券担保ローンを比較するアイキャッチ図解

読了目安:約12分

証券担保ローンは、国内の証券会社・銀行に加え、海外の金融機関を経由するルートでも利用できます。国内3社(野村Webローン・楽天銀行・コムストックローン)を比較するだけでは見えない、金利・LTV・担保対象の「壁」に直面している富裕層は少なくありません。

この記事では、国内主要サービスの条件を正確に整理したうえで、海外ルートと比較し、「なぜ純金融資産5億円以上の層が海外の証券担保ローンを選ぶのか」をデータで示します。国内サービスで十分かどうかを判断する材料として、読み終わるころには選択肢の全体像が見えるはずです。

この記事でわかること

  • 国内3ルートの金利・LTV・限度額は楽天銀行(2.125〜4.125%)・野村Webローン(2.15%)・コムストックローン(2.8〜4.8%)で、いずれもLTV上限は60%です。
  • 国内サービスの共通の限界は「中小型株・非上場銘柄は担保不可」「LTV60%が上限」「ノンリコースローン非対応」の3点です。
  • 海外証券担保ローン(ロンバードローン)は、国内不可銘柄にも対応し、LTVが60〜70%以上になるケースがあり、ノンリコース設計も存在します。
  • どちらが向いているかは保有資産の銘柄構成・借入目的・リスク許容度によって異なります。

【用語解説】証券担保ローン(有価証券担保ローン)とは
保有する株式・投資信託・債券などの有価証券を担保に、金融機関から資金を借り入れるローンのことです。担保に差し入れた有価証券は引き続き保有者名義のままで、配当・優待・議決権は維持されます。借入可能額は「担保評価額×担保掛目(LTV)」で決まります。欧州のプライベートバンクでは「ロンバードローン(Lombard Loan)」とも呼ばれます。

中島宏明

監修者

中島宏明

投資コラムニスト、経営者のゴーストライター(書籍、オウンドメディア、メルマガ、プレスリリース、社内報、スピーチ原稿、YouTubeシナリオ、論文…)

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。2014年に一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。マイナビニュースで、投資・資産運用や新時代の働き方をテーマに連載中。

目次

国内3社の証券担保ローンを比較する

まず国内で利用できる主要3ルートの条件を正確に整理します。いずれも証券口座と直結する形で提供されており、オンラインで手続きが完結します。

国内主要3サービスの比較表

サービス名提供元金利(年率)LTV上限借入限度額担保対象
楽天銀行 証券担保ローン楽天銀行2.125〜4.125%(残高3段階制)60%10万円〜原則10億円国内株式・ETF(NISA除外)
野村Webローン野村信託銀行2.15%(変動・一律)50〜80%(種類により異なる)50万円〜5億円株式・投信・債券・外国株(NISA除外)
コムストックローン日本証券金融2.8〜4.8%60%(一銘柄集中時50%)30万円〜5億円国内上場株式等(NISA除外)

表1:国内証券担保ローン主要サービスの比較(2026年6月時点)

3サービスに共通する特徴として、担保に入れた有価証券の配当・優待・議決権はそのまま保持できる点が挙げられます。また年収証明書の提出が不要で、担保有価証券さえあれば書類負担なく申込みできます。

国内の証券担保ローンで「できないこと」は何か?

国内3社は手続きのシンプルさと低金利が強みですが、資産規模が大きい富裕層ほど以下3つの「壁」に直面します。この壁を知らずに国内だけで検討を終えると、本来使えるはずの資金調達余力を見落とします。

壁①:中小型株・非主力銘柄は担保にできない

国内サービスはすべて東京証券取引所・名古屋証券取引所の上場銘柄を基本としていますが、各社が独自に設ける「担保不適格銘柄リスト」があり、流動性の低い中小型株・新興市場銘柄は担保として使えないケースが多くあります。保有資産の一部が中小型株に偏っている場合、せっかくの資産価値を借入に活かせません。

壁②:LTV60%が実質的な上限

国内サービスのLTV(担保評価額に対する借入割合)は最大60%が標準的な上限です。つまり、時価10億円の有価証券を担保に入れても、借入可能額は最大6億円にとどまります。資産を最大限活用したい場合、残りの40%分の担保価値は「遊んでいる」状態になります。

壁③:リコースローンのみで、ノンリコース型がない

国内の証券担保ローンはすべてリコースローンです。担保割れが発生した場合、担保有価証券が強制売却されるだけでなく、売却代金が不足した分は借り手が追加で返済する義務を負います。市場急落時に想定外の損失が手元資金に及ぶリスクがある点は、大口借入では見過ごせません。

国内証券担保ローンの3つの限界を示す図解
図2:国内証券担保ローンの「3つの壁」と海外ルートでの解決

海外の証券担保ローンはどこが違うのか?国内と比較

欧米のプライベートバンクや海外金融機関が提供する証券担保ローン(ロンバードローン)は、国内の3つの壁をいずれも超える構造を持っています。ただし、アクセス方法が国内とは異なり、独立系アドバイザリーを通じた紹介が一般的なルートになります。

国内 vs 海外:証券担保ローンの比較表

比較項目国内(主要3社)海外ルート(PB・ファミリーオフィス経由)
金利水準年2.15〜4.8%市場平均を大きく下回る水準(個別交渉)
LTV上限最大60%60〜70%以上が可能なケースあり
担保対象銘柄国内上場株式中心(不適格銘柄除外)中小型株・国内不可銘柄にも対応可
ローン種別リコースのみノンリコース設計が存在
借入通貨円のみ円・米ドル・複数通貨対応
利用条件対象証券口座の保有独立系アドバイザリー経由が一般的

表2:国内サービスと海外ルートの主要条件比較

【用語解説】ノンリコースローンとは
担保割れが発生しても、返済義務が担保資産の範囲内に限定されるローンです。担保の強制売却代金で回収できなかった残債について、借り手は追加返済を求められません。リコースローンに比べて借り手のリスクが限定される点が最大の特徴です。

ノンリコースローンの意味を具体的に考える

たとえば、時価10億円の株式ポートフォリオを担保にLTV60%で6億円を借り入れた後、市場急落でポートフォリオが4億円に下落したとします。

このとき国内のリコースローンでは、担保売却で4億円が回収されますが、残り2億円の返済義務は依然として借り手に残ります。急落時に手元資金から2億円を捻出しなければなりません。

一方、ノンリコースローンでは、担保として差し入れた4億円分の株式が引き渡されることで返済完了となり、借り手への追加請求はありません。最悪のシナリオでも損失が担保の範囲に収まるため、資産全体の安全装置として機能します。

海外証券担保ローンは万能ではありません。為替リスク・情報の非対称性・手続きの複雑さといったデメリットがあります。国内サービスが適している場合もあるため、自分の資産構成・目的に合ったルートを選ぶことが重要です。

国内の証券担保ローンで「壁」を感じていませんか?

中小型株が担保にならない、LTV60%では足りない、ノンリコースで借りたい——そうしたニーズには、国内金融機関では対応できない海外ルートが存在します。あなたの保有資産に最適な調達方法を、無料でご相談を承ります。

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※ノンリコースローン・中小型株対応・複数通貨対応など、国内では稀な選択肢もご紹介可能です。

証券担保ローンを比較する|国内と海外どちらを選ぶべき?

国内・海外どちらの証券担保ローンが合っているかは、保有資産の構成と借入の目的によって変わります。以下の判断軸を参考に検討してください。

国内サービスが向いているケース

  • 主要証券口座(野村・楽天・SBI等)にまとめて保有しており、手続きの手軽さを優先したい
  • 借入額が5億円以内で、担保銘柄が主要大型株中心
  • 短期の資金需要(納税・不動産頭金など)でスピードを重視する
  • リコースのリスクを許容できるだけの手元流動性がある

海外ルートを検討すべきケース

  • 中小型株・国内不可銘柄を多く保有しており、それを担保に使いたい
  • LTV60%では借入額が不足する(資産規模が大きいほど差が顕在化する)
  • ノンリコース設計で、万が一の市場急落リスクを担保内に限定したい
  • 米ドル建て等の複数通貨での借入を検討している

よくある質問

国内と海外の証券担保ローンで、どちらが金利が低いですか?

一概にはいえません。国内の野村Webローンは年2.15%と低水準ですが、海外ルートも独立系アドバイザリー経由では市場平均を大きく下回る条件が提示されるケースがあります。金利だけでなく、LTV・担保対象・ノンリコース有無を含めて総合的に比較することを推奨します。

担保にした株式の配当や株主優待は受け取れますか?

国内サービスでは受け取れます。海外ルートも基本的には担保中も配当等を保持する設計が一般的ですが、サービスによって条件が異なるため、契約前に確認が必要です。

ノンリコースローンとは何ですか?

担保が強制処分されても、その売却代金で借入残高をまかなえない場合に、借り手への追加請求が発生しないローンです。担保資産の価値が下落した際の損失が担保の範囲内に限定されるため、リコースローンより借り手のリスクが小さくなります。

NISA口座の資産は証券担保ローンに使えますか?

国内サービスではいずれもNISA口座の有価証券は担保不適格となっています。海外ルートについても、日本国内のNISA口座で管理している資産の担保利用は基本的に困難です。

まとめ

  • 国内3社(野村Webローン・楽天銀行・コムストックローン)は手続きが簡便で金利も低水準ですが、LTV60%・担保銘柄の制約・リコースのみという共通の限界があります。
  • 海外証券担保ローン(ロンバードローン)は、中小型株対応・LTV60%超・ノンリコース設計と、国内の壁を超える条件が揃っており、大口借入や特殊な銘柄構成を持つ富裕層に適しています。
  • ノンリコースローンは、市場急落時の損失を担保の範囲に限定する安全装置として機能し、資産規模が大きいほど意義が増します。
  • どちらが最適かは保有銘柄・借入額・リスク許容度によって異なり、両方を比較したうえで判断することが重要です。

証券担保ローンを活用する富裕層がどのような資金戦略を描いているか、その全体像は別記事で詳しく解説しています。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や投資助言を行うものではありません。記事内の情報は執筆時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。実際の投資判断や税務上の判断については、資格を有する税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

2016年、証券会社にて富裕層・超富裕層向けの資産運用に従事。デリバティブを活用した投資戦略を中心に、資産規模に応じた最適な運用設計を提案。
2025年に独立後は、富裕層・超富裕層向けのプライベートオフィスを設立し、金融資産数億円〜数千億円規模の、上場企業オーナーから中小企業経営者含め幅広い顧客に対して、資産運用・財務・事業承継を一体で設計する支援を行っている。

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