日本のプライベートバンク一覧|国内vs海外PBの違いと選び方を比較

日本で利用できるプライベートバンクを3つのルートに分類した図解

この記事の読了目安:約13分

日本で利用できるプライベートバンクは、日系証券会社のウェルスマネジメント部門、信託銀行系、外資系の日本法人という3つのルートに整理できます。スイスのように「プライベートバンク」だけを専業とする銀行は日本にほぼ存在せず、大手金融機関の富裕層向け部門がその役割を担っているのが実態です。

ただし、この分野は再編が続いており、ネット上に残る「日本のプライベートバンク一覧」の多くはすでに存在しない会社名を現役として掲載しています。この記事では2026年8月時点の顔ぶれを一次情報で確認したうえで、3ルートの違いと選び方を整理します。

この記事でわかること

  • 日本のPBは日系証券・信託銀行・外資系の3ルートです
  • 公表されている明確な基準は金融資産3億円以上です
  • PB専業の銀行は日本国内にほぼ存在しません
  • 競合記事が挙げるPB証券・CS証券は現存しません
  • 運用商品の幅・担当者の継続性では海外PBが優位です
中島宏明

監修者

中島宏明

投資コラムニスト、経営者のゴーストライター(書籍、オウンドメディア、メルマガ、プレスリリース、社内報、スピーチ原稿、YouTubeシナリオ、論文…)

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。2014年に一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。マイナビニュースで、投資・資産運用や新時代の働き方をテーマに連載中。

目次

日本のプライベートバンクとは?3つのルートに分かれる

日本におけるプライベートバンクとは、大手金融機関が富裕層向けに設けている専門部門・専門子会社の総称です。スイスのプライベートバンクのような独立した業態としては、国内にほとんど存在していません。

【用語解説】プライベートバンク(PB)とは
富裕層を対象に、資産運用だけでなく相続・事業承継・不動産・税務までを一括して担当者が受け持つ金融サービスです。日本では独立した業態ではなく、銀行・証券会社の一部門として提供されています。

この構造を理解しておかないと、「プライベートバンクの口座を開きたい」と窓口に伝えても話が噛み合いません。日本で実際に選ぶことになるのは、次の3つのルートのいずれかです。

ルート1:日系証券会社のウェルスマネジメント部門

野村證券、大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券といった大手証券会社が、富裕層向けの専門部門を持っています。野村證券は自社のウェルス・マネジメントを「資産の成長・保全・承継を図るために、専門的な助言を行い、総合的に資産管理・資産運用を行うサービス」と説明しています。

このルートの強みは、国内の事業会社ネットワークと投資銀行機能にあります。オーナー経営者にとっては、資産運用の相談窓口が同時に事業承継やM&Aの相談窓口にもなる点が実務上大きい。一方で、担当者の異動が数年単位で発生しやすく、長期の関係構築という点では外資系に劣る面もあります。

ルート2:信託銀行系

三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行といった信託銀行も富裕層向けサービスを提供しています。信託機能を自前で持つため、不動産の管理・処分、遺言信託、資産承継まで一体で設計できるのがこのルートの特徴です。

金融資産の運用だけを見れば証券会社の方が商品ラインナップは広い。しかし、資産の中身が不動産に偏っている場合や、相続を数年内に控えている場合は、信託銀行の方が話が早く進みます。

ルート3:外資系プライベートバンクの日本法人

UBSをはじめとする外資系金融機関が、日本法人・日本支店を通じてサービスを提供しています。グローバルな運用商品へのアクセスと、担当者が長期間変わらない体制が特徴です。

ただし後述するとおり、日本市場に参入していた外資系PBの顔ぶれはこの数年で大きく変わりました。ネット上の古い一覧記事をそのまま参照すると、すでに撤退・統合された会社に問い合わせることになります。

日本で利用できるプライベートバンク一覧【2026年8月時点】

2026年8月時点で、日本国内に拠点を持ち富裕層向けサービスを提供している主な金融機関は下表のとおりです。最低預入資産額を公式に明示している事業者は限られており、多くは「審査による」という扱いになっています。

事業者分類公表されている基準特徴
野村證券(ウェルス・マネジメント)日系証券公表なし国内最大級の顧客基盤。事業承継・M&Aと一体で相談可能
大和証券日系証券公表なし(プレミアムサービスは預り資産1,000万円以上)ステージ制の優遇サービスを併設
三菱UFJモルガン・スタンレー証券日系証券公表なし2020年にPB証券を吸収合併し富裕層部門を集約
三井住友信託銀行信託銀行UBS SuMi TRUST等との取引は金融資産3億円相当以上信託機能を自前で保有。不動産・相続に強い
UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント外資系合弁金融資産3億円相当以上UBS証券51%・三井住友トラストHD49%の合弁
SMBC信託銀行(プレスティア)信託銀行公表なし外貨建て取引に強み。旧シティバンク個人部門が母体

表1:日本で利用できる主なプライベートバンク(2026年8月時点)

この表で注目すべきは、明確な金額基準を公表しているのが実質的に1系統しかないという点です。三井住友信託銀行はウェルス・マネジメントのページで「UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社およびUBS銀行東京支店とのお取引には、金融資産3億円相当以上のお預入れが必要」と明記しています。

他社が金額を公表しない理由は、金融資産の額だけで受入可否を判断していないためです。資産の中身(現金か、自社株か、不動産か)、収入の継続性、取引の広がりが総合的に見られます。「1億円あればPBに入れる」という単純な線引きは実務上存在しません。

プライベートバンクの利用に必要な資産額の目安

公表基準がない事業者について、実務上の目安を整理すると次のようになります。ただしこれは公表値ではなく、各社の説明や取引実績から一般的に語られる水準である点に注意してください。

表2:資産帯別に見た現実的な選択肢(公表値ではなく実務上の目安)

純金融資産現実的な選択肢注意点
1億円未満証券会社の優遇サービスPBと名前は似ていても担当者専任制ではない
1億〜3億円日系証券・信託銀行の富裕層部門担当者が付いても案件優先度は下がりやすい
3億〜5億円上記+外資系合弁(公表基準を満たす)複数行を比較検討できる水準
5億円以上全ルートが選択肢。条件交渉も可能手数料率の個別交渉余地が出る

野村総合研究所が2025年2月13日に公表した推計によると、2023年時点で純金融資産5億円以上の超富裕層は11.8万世帯、1億円以上5億円未満の富裕層は153.5万世帯です。合計165.3万世帯が2021年の148.5万世帯から11.3%増えています。PBの受け入れ枠に対して候補者が増え続けている構図であり、資産額だけで自動的に受け入れられる状況ではありません。

必要な資産額そのものをより詳しく知りたい場合は、金額の内訳と手数料の損益分岐点を扱った別記事も参考になります。

国内PBと海外PBの違いは?6つの軸で比較

国内PBと海外PBの最大の違いは、運用できる商品の幅と、担当者が長期間変わらないかどうかです。日本の税務・相続実務への対応では国内PBに分がありますが、運用そのものの選択肢は海外PBのほうが明確に広くなります。

国内プライベートバンクと海外プライベートバンクを6つの軸で比較した図解
図2:国内PBと海外PBの6つの違い
比較軸国内PB海外PB
運用商品の幅金融商品取引法上、国内で販売登録された商品に限定されるグローバルのファンド・仕組債・オルタナティブに広くアクセスできる
担当者の継続性異動により数年で交代することがある同一担当が10年単位で続くことも珍しくない
通貨・保管先の分散日本円・国内保管機関に集中しやすい複数通貨・国外カストディで分散できる
日本の税務対応国内税制を前提に設計。特定口座も利用可対応外。確定申告は自力または税理士に依頼
相続・事業承継信託・遺言まで一体で対応可能日本の相続実務は原則対象外
使用言語日本語英語が中心。日本語対応は行により異なる

表3:国内PBと海外PBの比較

表の並び順が示すとおり、上の3項目(運用商品・担当者・分散)では海外PBが優位に立ちます。下の3項目は国内PBが有利ですが、これらは税理士や国内金融機関との併用で補える性質のものです。運用の選択肢そのものは、後から補うことができません。

ここで誤解されやすいのが、海外PBを使うと税金が有利になるという理解です。日本の居住者は国外で得た所得も日本で課税されます。加えて、その年の12月31日時点で価額の合計が5,000万円を超える国外財産を持つ居住者には、翌年6月30日までに国外財産調書を提出する義務があります(国税庁「国外財産調書の提出義務」)。海外PBに税制上の優遇はありません。ただし、海外PBを選ぶ理由はもともと税負担ではなく運用そのものの中身にあります。国内では買えない商品にアクセスでき、担当者が長期間変わらず、資産を単一通貨・単一国に集中させずに済む。この3点は、税制の話とは別の次元で効いてきます。

海外PBを検討する際は、その業者が日本で金融商品取引業の登録を受けているかを必ず確認してください。金融庁は「海外所在業者であったとしても、日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合は、金融商品取引業の登録が必要です」と明示しています(金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」)。
登録の有無は金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で確認できます。無登録業者との取引は、出金拒否や連絡途絶といった被害が生じても回復が困難です。

海外プライベートバンクが優位に立つ3つの領域

海外PBが国内PBを明確に上回るのは、運用商品の幅・担当者の継続性・資産の分散という3点です。いずれも国内PBの構造的な制約と対になっており、国内で努力すれば埋まる種類の差ではありません。

1. 国内では提案できない商品にアクセスできる

国内PBが提案できるのは、金融商品取引法にもとづいて国内で販売登録された商品に限られます。これは金融機関の姿勢の問題ではなく、法制度上の枠です。海外の運用会社が組成する優れたファンドでも、日本で登録されていなければ国内PBの提案リストには載りません。

海外PBはこの枠の外にあります。グローバルに展開するヘッジファンド、プライベートエクイティ、地域特化型の債券戦略といった、国内の窓口では選択肢として出てこない運用にアクセスできます。同じ資産額でも、選べる中身の幅が違うという点が最も本質的な差です。

2. 担当者が10年単位で変わらない

日系金融機関では担当者が数年で異動するのが通例です。異動のたびに資産の全体像、家族構成、事業の状況、過去の判断の経緯を説明し直すことになります。

海外PBでは同一のバンカーが長期間担当につく慣行があり、10年以上同じ担当というケースも珍しくありません。富裕層の資産管理では、商品知識よりも「その家の事情をどれだけ把握しているか」が提案の質を左右します。継続性はそのまま提案精度に直結します。

3. 通貨と保管先を分散できる

国内PBを使う限り、資産は日本円建てで国内の保管機関に置かれる比重が高くなります。日本の富裕層は自社株・国内不動産・国内金融資産と、資産のほぼ全量が日本国内・日本円に集中しているケースが多い。

海外PBを併用すると、通貨と保管先の両方を分散できます。これは為替で儲けるための施策ではなく、資産の置き場所を一箇所に固めないという設計上の考え方です。事業も資産も日本国内で完結している経営者ほど、この分散の意味は大きくなります。

【用語解説】カストディとは
投資家に代わって有価証券を保管・管理する業務、またはその機関を指します。保管先を国外に分散しておくと、単一の国・金融機関に起因するリスクの影響を受けにくくなります。

海外PBの機能を日本で使うにはどうするか

ここまでの3領域は海外PBの強みですが、日本にいながらこれを取り込む方法はあります。日本に登録を持つ外資系・合弁の金融機関を窓口にするルートです。

スイス系プライベートバンクが日本で単独展開しにくかった要因は、規制と採算の両面にあります。日本で個人向けに証券業を営むには金融商品取引業の登録が必要で、国内拠点と体制整備のコストがかかる。一方、日本の富裕層は資産を国内の不動産と自社株で持つ比率が高く、金融資産だけを切り出して外資系に預ける動機が生まれにくい。

結果として、外資系は日系金融機関との合弁というかたちを選ぶようになりました。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントはその代表例です。グローバルの運用ノウハウにアクセスしながら、日本の法規制と日本語での対応を確保するという設計になっています。

ただし合弁であっても、取り扱える商品は国内の登録範囲に収まります。海外PB本来の商品の幅をどこまで求めるかによって、選ぶべき窓口は変わってきます。

プライベートバンクの提案、鵜呑みにしていませんか?

PBの担当者は自社商品の販売が仕事です。手数料構造や運用成績を、第三者の目で検証したことはありますか?

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「一覧」記事に載っているが、すでに存在しない金融機関

「日本のプライベートバンク一覧」を検索すると上位に出てくる記事の多くが、2026年時点では存在しない会社名を現役として掲載しています。問い合わせ先として使う前に、次の2件は必ず確認してください。

クレディ・スイス(2023年にUBSが買収)

クレディ・スイスは経営不安を受け、2023年3月にUBSによる買収が発表されました。ジェトロのビジネス短信によれば、買収は2023年6月12日に完了し、クレディ・スイス・グループはUBSグループに統合されています。日本国内の事業も同様に統合が進みました。

つまり、日本のPB一覧に「クレディ・スイス」を独立した選択肢として挙げている記事は、少なくとも3年以上更新されていないことになります。

三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券(2020年に本体へ合併)

富裕層向け専業として設立された三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券は、グループ内で分散していた富裕層ビジネスを整理する目的で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に吸収合併されました。合併は2019年4月に発表され、2020年に実施されています。

現在、同グループの富裕層向けサービスは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の部門として提供されています。PB証券という法人はもう存在しません。

金融機関の一覧記事を参照する際は、記事の更新日と、掲載されている会社が現在も存在するかを必ず確認してください。特にプライベートバンク分野は2019年以降の再編が大きく、古い情報がそのまま残っているケースが目立ちます。

プライベートバンクの選び方|資産の中身から逆算する

プライベートバンクを選ぶ際の分岐点は、運用成績の比較ではなく自分の資産構成のうち「金融資産以外の部分」を誰に見てもらうかです。金融資産の運用能力は各社で決定的な差がつきにくく、実際の満足度は周辺機能で決まります。

資産構成のタイプ別にプライベートバンクの選び方を分岐させた図解
図3:資産の中身から選ぶPBルート

自社株が資産の中心にある場合

未上場の自社株が資産の大半を占めるオーナー経営者は、日系証券会社のウェルスマネジメント部門が第一候補になります。事業承継、株式の評価対策、将来的なM&Aまで同じ担当者ラインで扱えるためです。

自社株の扱いを検討する段階では、持株会社や資産管理会社の設計も同時に論点になります。

不動産が資産の中心にある場合

収益不動産や事業用地の比重が高いなら、信託銀行系が有利です。不動産の管理・処分・信託設定を金融資産の運用と切り離さずに設計できます。

証券会社に不動産の相談をしても、提携先を紹介されるだけで終わることが多い。自前の機能を持っているかどうかで、話の進み方が変わります。

会社売却などで現金比率が高くなった場合

M&Aで株式を売却した直後は、資産の大半が現金になります。この状態は運用の自由度が最も高い一方で、判断を急ぐと手数料の高い商品にまとめて配分されてしまうリスクもあります。

売却直後の配分をどう組むかは、PB選び以前の設計問題です。

資産を売らずに資金が必要な場合

保有株式を売却せずに資金を作りたい場合、PBの提供する有価証券担保ローンが選択肢になります。ただし条件は金融機関ごとに差が大きく、PBの提示する条件が唯一の選択肢とは限りません。

PBでは足りない場合の選択肢

資産規模が大きくなり、複数の金融機関・法人・不動産をまたいで管理する必要が出てくると、PB1社では全体を統括しきれなくなります。この段階で検討されるのがファミリーオフィスという形態です。

契約前に確認すべき7項目

プライベートバンクと契約する前に確認すべきなのは、手数料の総額と、担当者が交代したときに何が引き継がれるかの2点に集約されます。以下の7項目は面談時にそのまま質問できる形にしています。

1. 年間の総コストを実額で提示してもらう(率ではなく円建て)

2. 運用報酬のほかに、売買手数料・信託報酬・為替スプレッドが別途かかるかを確認する

3. 提案商品のうち、自社グループ組成の商品が占める割合を聞く

4. 担当者の在任予定期間と、交代時の引き継ぎ体制を確認する

5. 税務・相続の相談が契約に含まれるのか、外部専門家の別料金になるのかを確認する

6. 解約時の手数料と、資産の移管にかかる期間・費用を事前に聞く

7. 運用報告の頻度と、ベンチマークとの比較が示されるかを確認する

特に1と2は、契約後に「思っていたより残らない」という不満につながりやすい部分です。運用報酬が年1%でも、そこに売買手数料と組み込み商品の信託報酬が重なれば、実質的な負担はその1.5〜2倍になることもあります。率ではなく実額で聞くのが確実です。

4も軽視できません。日系金融機関では担当者が数年で異動するのが通例で、その都度これまでの経緯を説明し直すことになります。事前に交代時の引き継ぎ体制を確認しておくと、後の負担が変わります。

富裕層が実際にどのような金融機関と付き合い、どこに不満を持っているかは、別途実施した実態調査でも傾向が見えています。

よくある質問

Q. 日本のプライベートバンクはいくらから利用できますか?

A. 公式に基準を明示しているのは限られており、三井住友信託銀行はUBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント等との取引に金融資産3億円相当以上が必要と公表しています。他社は金額を公表しておらず、資産の中身や取引の広がりを含めた審査で判断されます。

Q. 日本にスイスのようなプライベートバンク専業の銀行はありますか?

A. ほぼ存在しません。日本では大手証券会社・信託銀行の富裕層向け部門、または外資系との合弁会社がその役割を担っています。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントはUBS証券51%・三井住友トラスト・ホールディングス49%の出資で2021年8月に営業を開始しました。

Q. クレディ・スイスの日本のプライベートバンクは利用できますか?

A. 利用できません。クレディ・スイスは2023年6月12日にUBSによる買収が完了し、UBSグループに統合されました。独立した選択肢としては存在していません。

Q. 海外のプライベートバンクを使うと節税になりますか?

A. なりません。日本の居住者は国外で得た所得も日本で課税され、5,000万円超の国外財産があれば国外財産調書の提出義務も生じます。海外PBを選ぶ理由は税制ではなく、国内では買えない運用商品にアクセスできること、担当者が長期間変わらないこと、通貨と保管先を分散できることの3点にあります。

Q. 国内PBと海外PBはどちらを選ぶべきですか?

A. 運用の中身を重視するなら海外PBです。国内PBは金融商品取引法上、国内で販売登録された商品しか提案できないため、選択肢の幅で差がつきます。一方で日本の相続・事業承継の実務は国内PBが有利です。この2つは併用でき、税務や相続は国内の専門家に任せ、運用は海外PBという組み合わせが実務上は多く採られます。

Q. 海外のプライベートバンクは日本に住んでいても利用できますか?

A. 利用できます。ただし海外所在の業者であっても、日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合は金融商品取引業の登録が必要だと金融庁が明示しています。検討する際は、その業者が登録を受けているかを金融庁の業者一覧で必ず確認してください。

まとめ

  • 日本のPBは日系証券・信託銀行・外資系合弁の3ルートに分かれ、専業銀行はほぼ存在しません
  • 金額基準を公表しているのは三井住友信託銀行・UBS SuMi TRUST系の「金融資産3億円相当以上」が中心です
  • クレディ・スイス(2023年UBSに統合)、三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券(2020年本体へ合併)は現存しません
  • 海外PBは運用商品の幅・担当者の継続性・資産の分散という3点で国内PBを上回ります
  • 国内PBは法令上、国内で販売登録された商品しか提案できないという構造的な制約があります
  • 選び方は資産の中身から逆算し、契約前に総コストを実額で確認するのが確実です

プライベートバンクの比較で見落とされやすいのは、提案される商品が各社ともよく似ている一方、契約後の実務対応には差がある点です。手数料の総額と担当者交代時の体制という2つを事前に押さえておけば、契約後の不一致はかなり減らせます。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や投資助言を行うものではありません。
記事内の情報は執筆時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。
実際の投資判断や税務上の判断については、資格を有する税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

2016年、証券会社にて富裕層・超富裕層向けの資産運用に従事。デリバティブを活用した投資戦略を中心に、資産規模に応じた最適な運用設計を提案。
2025年に独立後は、富裕層・超富裕層向けのプライベートオフィスを設立し、金融資産数億円〜数千億円規模の、上場企業オーナーから中小企業経営者含め幅広い顧客に対して、資産運用・財務・事業承継を一体で設計する支援を行っている。

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