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AI関連株への集中度が高まるS&P500。しかし、暴落を予想してすべて売る必要はありません。大切なのは予測を当てることではなく、予測が外れても耐えられる資産配分をつくることです。前編では、S&P500に占めるAI関連株の比率の高まりについて解説しました。後編となる本記事では、暴落そのものへの向き合い方と、資産家特有の集中リスクについて、人気投資系YouTuber・バフェット太郎氏と、本メディア監修者の中島宏明が対談形式で読み解きます。
この記事でわかること
- 暴落の予測ではなく、暴落しても資産形成が続けられる状態をつくることが重要です
- 生活費や近い将来使うお金は現金で確保し、投資資金と切り離して考えます
- 資産配分が崩れたときは、増えた資産を減らし減った資産を増やす「リバランス」を行います
- オーナー経営者や不動産投資家には、会社員とは異なる集中リスクがあります
- 米国株を核にしながら、新興国株・金・現金・ビットコインなど異なる役割の資産を組み合わせます
本記事の対談者
本記事は、人気投資系YouTuber・バフェット太郎氏と、本メディア監修者・中島宏明による対談形式でお届けします。
バフェット太郎
INVESTMENT YOUTUBER
投資系YouTuber/著述家。米国株投資に特化した情報発信を行い、YouTube「バフェット太郎の投資チャンネル」は登録者数50万人を超える。著書に『投資の教室 人生を変えるマネーマシンのつくり方』(ダイヤモンド社)、累計20万部のロングセラー『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』(ぱる出版)がある。米国の連続増配・高配当株を中心とした長期投資を提唱している。
暴落を予測するより、暴落しても困らない状態をつくる
中島 宏明AIバブルがいつ崩れるかを正確に予想するのは難しいと思います。個人投資家は、どのように備えればよいのでしょうか。
投資家がやるべきことは、暴落の日付を当てることではありません。暴落が起きても、生活や資産形成が破綻しない状態をつくることです。
たとえば、数年以内に使う予定のあるお金まで株式へ投じていれば、相場が下落したときに安値で売らざるを得ません。反対に、生活費や近い将来に必要な資金を現金で確保していれば、株価が下がっても慌てて売る必要はありません。



「何を買うか」以前に、投資へ回してよいお金と、回してはいけないお金を分ける必要があるわけですね。
そうです。現金はインフレに弱く、長期的には購買力が低下する可能性があります。しかし、暴落時に資産を安く買える「弾薬」であり、生活を守る資産でもあります。
平常時には魅力が低く見える資産が、危機のときに役立つ。これが分散投資の基本です。


「全部売る」「何もしない」の二択から離れる



株価が大きく上がると、「そろそろ全部売った方がよいのでは」と考える人もいます。一方で、長期投資だから何があっても放置すべきだという意見もあります。
投資は、全部売るか、何もしないかの二択ではありません。
たとえば、株価上昇によって米国株の割合が当初の想定より大きくなっているなら、一部を売却して、現金、金、新興国株などへ移す方法があります。資産配分を当初の状態へ戻す、いわゆる「リバランス」です。
これは「米国株はもう上がらない」と予想する行為ではありません。特定の資産が増えすぎたため、集中を修正する行為です。



相場観よりも、自分が決めた資産配分を基準にするということですね。
その方が感情に左右されにくくなります。上がっている資産だけを追いかけると、高値で買い増し続けることになりかねません。逆に、値下がりした資産をすべて手放せば、安値で売ることになります。
リバランスは、値上がりした資産を少し減らし、値下がりした資産を少し増やす仕組みでもあります。
資産家ほど「米国株以外」が必要になる



米国株に投資しているのは、会社員の方だけでなく、いわゆる資産家と呼ばれる人たちもいますが、資産家にはどんなリスクが考えられますか?
資産家には、会社員とは異なる集中リスクがあります。
オーナー経営者の場合、自社株、事業、不動産、個人保証などが一体になっていることがあります。会社を売却すると、今度は売却代金として多額の現金が生まれます。
そこで、現金の多くをS&P500へ一度に移せば、自社への集中は解消しても、米国株とドルへの新たな集中が生まれます。



不動産投資家も、資産額は大きくても、地域や物件の種類、金利へ偏っている可能性がありますね。
そうですね。資産額が大きくなれば、最大限に増やすことよりも、大きく失わないことの重要性が増します。
株式市場が下落したときに不動産価格も下がり、融資環境も悪化する可能性があります。複数の資産を持っていても、同じ局面で一斉に悪化するなら、十分に分散されているとはいえません。
重要なのは資産の数ではなく、「何が起きたときに、その資産が役立つのか」です。
米国株を核に、異なる役割の資産を組み合わせる



具体的には、米国株以外にどのような選択肢があるのでしょうか。
代表的なものとして、新興国株、金、現金があります。さらに、一定のリスクを受け入れられる人にとっては、ビットコインも選択肢になり得ます。
新興国株は、ドル安や資源高の局面で追い風を受けやすい一方、ドル高や地政学リスクに弱い。金は、財政不安や地政学リスク、脱ドル化への保険になる一方、利息も配当も生みません。現金は暴落時に役立ちますが、インフレに弱い。
どの資産にも強みと弱みがあります。



一つの万能な資産を探すのではなく、それぞれの弱点を別の資産で補うわけですね。
そうですね。S&P500も万能ではありませんし、金やビットコインも万能ではありません。
分散投資とは、最も値上がりする資産を当てることではなく、自分の予想と違う未来が来ても致命傷を負わないようにすることです。米国株をやめる必要はありません。しかし、米国株だけに将来を預ける必要もありません。


次回の第2回では、米国株、新興国株、金、現金、ビットコインが、それぞれどのような局面で役立つのかを整理します。投資に役立つ世界経済の大局観を非常にわかりやすく解説されているので、バフェット太郎さんのYouTubeもぜひご覧になってください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や投資助言を行うものではありません。記事内の情報は執筆時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。実際の投資判断や税務上の判断については、資格を有する税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。








